公園でマンウォッチング

公園でじっと人々を眺めていた

幸せそうなのは小学生になる前くらいの子供たちだろうか

若者は圧倒的に携帯電話をいじっているようだ

極端な例ではベンチに座っているカップルが、

それぞれに携帯電話をいじっているようだった

そんなのは一緒にいる時にしなくてもいいじゃないか

それぞれの時間にやっていればいいじゃないか

そう思うけれど

そんな時間の過ごし方が二人にとって心地よいのだろう

大人たちはそんなには携帯電話をいじっていない

たまに昔々の電話の呼び鈴がして

その方向を見ると老齢の人が老眼らしい目を細めながら操作し始める

若者は携帯電話の操作が得意だから携帯をいじってばかりいるのだろうか

それとも他に楽しいことがないのだろうか

話をして相手のいろいろな点を発見するとか

景色を見て何かを発見するとか

大人は携帯以外に何か楽しいことがあるかと言えば

そうでもないのかもしれない

文庫本を読んでいる人が何人かいた

こんな風に公園でも、電車の中でも、

本を読んでいる風景は、田舎ではあまりないと思う。

東京の人は学歴が高いこともあり、特に本が好きなのではないかと思う。

あるいは、東京は、いつも家族でワイワイできるわけでもないし、

どこでも大声で歌を歌えるわけでもないし、

昼から酒を飲んで酔っぱらっていられるわけでもないし、

昼から男女の楽しみをおおっぴらにできるわけでもないし、

そう考えると、できることは限られて、

文庫本でも読んでいるのが一番いいのかもしれない。

新書版を読んでいる人は少ない。

図書館から借りてきたようなハードカバーを読んでいる人もいる。

寝そべったままで器用に読むものだ。

わたしも寝たままで読むことは大好きだ。

そんなとき軽い本ならありがたい。