永井荷風について2

永井荷風は孤高の文士として生きた。

社会との関係を最小限にとどめ、

都市の中の隠者となった。

その孤高を支えたのは経済的安定である。

優良株を買い、資産の運用に心を砕いた。

印税、原稿料、株の売買記録も、細かく記している。

他人に関わることをしないかわりに、

他人の世話にもならない。

個人主義を徹底するには、経済的な自立がなければならない。

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生きているからその証として日記を書くのではない。

日記(芸術)を書くためにこそ毎日を生きる。

荷風は実人生を芸術に捧げた。