独占欲

独占欲の強い人はいて、
姉さんたちは困るらしい。

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スカッとした男たちは、
一応指名をしていても、
重なったりすると、
「おっ、ますます売れっ子だね、商売繁盛でいいなあ、
今日はこっちの新しい子と話しているから、行っておいで」
なんて余裕を見せていて、
扱い易いのだ。

わたしのお客さんったら、もう何年もついていてくれて、
ありがたいんだけど、店にいるうちはわたしがお相手しなくちゃなんなくって、
女の子たちと逢いにきているんじゃなくって、
わたしと会いに来ているっていうんだもの。
指名が重なったりしたら大変、もう、説教だわ、人の道が始まるの。
お店もわたしも延長利用金が取れるからいいんだけど、
でもね、やっぱりあんまりよくない。
どうしてあたしには、このタイプのお客さんが多いんだろう。
陽気に飲んで喋ってくれればいいのに。
わたしが歌って、みんなが拍手してくれればそれでいいのにって思うけど。
別々の場所で、みんなにやさしく、これでないといけないんだよね。

私はこういう仕事だって知っていても、やはり一時的に私を独占したくなるみたいで。
だから携帯メールの返事が大変。頭が痛いんだわ。
毎日になると、これが。

もう三年も四年も、毎朝だよ、おはようメール。
家族っていうか、家族以上っていうか、それとも異常っていうか、
あの人にとって、私って、何なんだろう。