老いの支度

ずっと以前、ある人から、
家族がお墓を守ってくれるのは誰かとても気にしている、
そんなに気になるものなのか、
と話になり、そういえば、わたしの家でも祖母は
そのことを気にしていたものだ。
先祖代々の墓はどうするのかというのである。
祖母は嫁に来たのだから、彼女の先祖はその墓にはいない。
それでも、とにかく、誰が墓を守るのかと気にしていた。
気に病んでいたと言ってもいいくらいだ。

年寄りはそんなものかと思っていたのだけれど、
知人がそんな話をしていた時期があり、
わたしもそう思ってみれば、老いのしたくとしてはその程度のことしかないようだ。

財産の行方を確定して、
墓を決めておく。
無理やりな延命医療についても遠慮したいと少しだけ。

ひな祭り
老いの支度や
鄙の家