命の選別をした人たち どうせなら命を国交省に

現実というものは、多面的であり、
一面からの裁断だけで、
理解しきれないことも多い。
そのことを前提として、しかし、いろいろと勉強しなくてはいけないことはある。

ナチス・ドイツの話。
ユダヤ人集団は医師ジョセフ・メンゲレの前に順番にならぶ。
メンゲレは、死ぬまで兵器工場などで奴隷労働可能な体力がありそうな者は右、
老人、子供、体力がない男女は左と振り分けた。
左に分けられた人々はアウシュビッツ、ダッハウなどの絶滅収容所に送られて
ガス室(チクロンB)で大量虐殺された。


回復期リハビリ病棟の問題点
・リハビリの質を低く、しかも重症者排除すれば増収になる
・リハビリの質を上げて、重傷者を受け入れていれば、減収になる
・こうした意味での成果主義導入は、医師メンゲレを連想させる。

75歳以上・後期高齢者医療制度についても、似たようなもので、
軽症者を相手に、できるだけなにもしない方がよくて、
重傷者を濃厚に診察すれば制度の趣旨に反するだろう。

認知症の病棟でも、療養型の病棟というのがあって、ここは費用は「まるめ」。
できるだけ何もしないほうが儲かるし、長期入院すれば、病院収入は減額される。

ユダヤ人の中から、右と左を選別する医師メンゲレのこころの痛みって、
どんな風だろうかと思いますが。
メンゲレにすれば、立場もあり、理屈もあり、正しいことを
勇気を持って実行していたということになるのでしょうか。
主観的には。軍人や官僚は、そんなことがよくあると思う。
あるいはその時代でその状況では、いろいろな事情があったわけだろう。
日本軍もいろいろやったわけだし。
メンゲレのことだけを例に挙げてもよくないが。

「75歳を過ぎて、お金もなくて、保険診療でやるというのだから、
もうあまり丁寧にしなくてもいいだろう」と、
誰かが考えたとして、その場合、
官僚とか軍人は、普通人とは別の判断基準を持っているような気がする。

そうでなくては、メンゲレも、日本軍も、リハビリも、後期高齢者も、認知症療養型病棟も、考えにくい。

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マスコミは、このことをどう伝えているだろうか。
記者またはプロデューサーがいるとして、
心の中では、
自分がどれだけの経済的負担をするかと、
自分の祖父母がどのような治療を受けるかを、
ひそかに天秤にかけて、その結果が、
「あまり騒がないでおこう」ということなのだろうか。

祖父母の治療をやめるというのではない、ただ控えめにしておけば、
買い控えていた、ソファが買えると考えて、
あるいは顕在的に考えないとしても、
潜在的に判断して、
番組編成権を行使するのだろう。

もちろん、医者は立場上、メンゲレにもなりうるが、なりたくない。
マスコミ、民意と政治と司法が、そう決めたのならば、
特に、公立病院の医師は、従うしかないのだろうが、
いろいろと困ったことではある。

ではどうするかといわれて、名案もなく、
テレビで毎日のように、国の借金が、といわれると、
病気の人にはできるだけの治療をとも
言いにくい雰囲気ではある。

冗談だけど、
国土交通省があんなにお金持ちなら、
病院業務は全部国土交通省管轄にしたらいい。
病院に行くと考えるから、厚労省になる。
病院という「箱」は廃止。
巨大なメディカルトラックやヘリコプターで医師看護師が巡回することを基本にすれば、
国土交通省管轄だ。
検診も検査も治療もトラックでまわる。オペもトラックの中の無菌室で済ます。
メディカルトラックが渋滞なく通れるように道路を整備しなくてはならない。
救急が発生したら、どんな田舎でも、どんな道の奥でも、10分以内に到着できるよう、
ガソリンスタンドにメディカルスタンドを併設し、全国をくまなく網羅する。介護ステーションも兼ねる。
ヘリコプターをたくさん配備する。
トヨタにハイテクメディカルカーを量産させて、動き回らせる。
そのようにすれば、「病院格差」もなくなる。
既得権益にあぐらをかいている病院経営者を一掃できる。
一般家庭のテレビとガソリン・メディカル・スタンドを直結し、
治療の指示を出したり、薬の量をチェックできたりするように、
パナソニック・ソニーにシステムを作らせる。
こうすれば、国土交通省の予算を土建屋に回すのではなく、
トヨタ、パナソニック、ソニー、ハイテク産業に予算がついて、
そして医療経営者ではなく、医者そのものに予算を回すことができる。
国民は安心して働き出し、消費もするようになり、
経済も力強く回復するだろう。
防衛省も改編して、自衛隊はこの際、全部救急隊として編成しなおす。
国土防衛は警察に任せる。
ついでだが、
マッサージチェアもたくさん買ったようだから、医療用に使わせてもらう。
アロマテラピーの器具もあるようだから、医療用に使わせてもらう。
カラオケセットも買ったようだから、脳血管傷害後のリハビリに使わせてもらう。
道路予算を使って、自転車道やジョギング道を整備して、健康増進してもらう。