心と体のかかわり合い 心身症

心と体のかかわり合い

 最近、心療内科や精神科診療所をよく見かけます。それらの多くは、うつ病などの気分障害や神経症、あるいは心身症などを治療する専門科です。その中でも、心身症という病態をご存じでしょうか。

 見た目には身体症状を訴えているのですが、その背景には何らかのストレス因子が大きく関与し、心身両面からの配慮が必要な病態が心身症です。

 例えば、テスト時期になると便秘や下痢を繰り返す方、彼とのトラブルから無月経になった方、過労気味になると肩こりや頭痛が悪化する方。何らかのストレスが病状の発症や悪化因子となりえます。しかし、もともとおなかをこわしやすく、以前から月経不順気味で、母親も同じような肩こりや頭痛で悩んでいたなど、体質的因子が病気に関与していて、ストレスが先か身体的病気が先かはっきりしないこともしばしばです。

 病気は心と身体がかかわり合って生じているとすれば、すべての病気は心身症と言えるのですが、特にストレスや心理社会的要因が大きくかかわっていると考えられる身体的病態を心身症と呼んでいます。