情報システムは、自治体の担当者に専門知識がないために業者の言い値で契約

後期高齢者医療制度(長寿医療制度)をめぐり、新たな保険料徴収などに伴う市町村のシステム開発の一部で、当初の想定を2倍近く上回る366億円もの費用がかかっていたことが28日、分かった。

市町村から「国の補助金では足りない」との訴えが相次いだため、厚生労働省は昨年9月、開発費の状況を調査。今年4月に事実上の財源補てんとして80億円を追加交付したが、調査結果を含め一連の経緯は公表していない。多額の開発費をかけたにもかかわらず、保険料の徴収ミスも続出しており、批判が上がりそうだ。

厚労省は「調査結果は最終的な確認が済んでいない。財源措置については市町村には説明しており、隠す意図はない」としている。

厚労省などによると、開発費は2種類に分かれ、「市町村システム」で366億円、「国民健康保険(国保)保険者システム」で307億円かかり、総額で673億円に上る。

このうち市町村システムは、国の見積もりでは199億円で済むはずだったが、実際には167億円もオーバーし、1.8倍に達した。国は補助金として91億円を予算計上していたが、市町村からの要望を受け、国保の特別調整交付金という名目で、983市町村に80億円を追加交付した。

想定を大幅に超過した原因について、政府関係者は「情報システムは、自治体の担当者に専門知識がないために業者の言い値で契約してしまう構造的な問題もある」と指摘。国保保険者システムでも過大な経費が生じていた可能性がある。

新医療制度のシステム開発をめぐっては、673億円とは別に(1)各都道府県の広域連合が使用する共通システムで12億円(2)昨年10月に与党が決めた激変緩和策に伴う改修費で76億円―も国負担で支出されている。

▽新医療制度のシステム
新医療制度のシステム 制度の運営主体は都道府県内の全市町村でつくる広域連合だが、保険料を徴収するのは各市町村のため、市町村側でも新たなシステム開発が必要になった。さらに保険料額の決定や保険証発行のため、市町村から広域連合に対し住民の生年月日や住所、課税などの情報を提供するシステムも開発。このほか、夫婦のうち片方が新制度に移った場合、もう片方が国民健康保険に新たに加入するケースがあり、市町村が運営する国保のシステムも改修などを要した。

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どうにもならない。
回りまわって孫たちの給料になっているのだと思えるか。