ふたたびそれがよみがえってくるのを待つ

思い出を持つだけでは十分ではない。
思い出が多いときには、
それを忘れることが出来なければならぬ。
ふたたびそれがよみがえってくるのを
待つだけの大きな忍耐が必要なのだ

『マルテの手記』

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意識して待つわけではないけれど
たぶんとても軽いフラッシュバックのように
蘇ることがある

その場面では私は生意気だけれど柔らかで
ちっぽけだけど前向きだ

フラッシュバックという言葉に引きずられている気もするが
フラッシュを正面から浴びたときのようで
視野は一瞬ホワイトアウトして
その像だけが浮かび上がっている

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そんな風に生きてきた
そんな風にしか生きられなかった

気分を変えて
恵比寿の街を歩く