分に応じて安んじる

昔から
分に応じて安んじる
という言葉があり
皆さんそのようにしている

愚かな母は愚かな母のままで生きることを許されている
愚かな娘は愚かなままでただ生きることを許されている
ただ呼吸しているという意味で生きている

抜け出ようとすると途方もなくつらい思いをする
それをあきらめて
ただ安んじて生きることを選ぶ

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おもしろいことに
人間は自分を基準にして世界を分けて考えている

それが社会経済的階層なのだが
たとえば100メートルのタイムのようなものだ

20秒の人は20秒で世界を二つに分ける
11秒の世界と10秒の世界がどのように違うかについては
まるで想像できない

25秒と30秒もひとまとめである

頭がいい悪いというと語弊があるが
ものを考えられなくなると
25秒も30秒もひとまとめになるのはやむを得ない
それを頭が悪いというのだから

そのようにして世界を二つに分けて自分を真ん中においているのも
分かりやすいのだが
それ自体が壁である