新聞広告

寝そべって新聞を読んだ。
眠くなったら寝てもいいやという気持ちで
新聞などをゆっくりと眺めている。
自分は評価されない、ただ批評していればいい、
そんな立場はとても気楽だ。
時間に追われるわけでもなく、
至福ではないか。


元旦の朝日新聞は出版各社が辞書の広告を出している。
新潮社、三省堂、岩波書店、大修館、学研。
五社が大きく辞書をアピールしている。
コンピュータがあれば、辞書は手元になくてもいい時代だから、
学生用なのか、あるいは、
そんな時代だからあえて新聞で広告するのか。


辞書というものは非常に手間がかかり、間違い易くもあり、
訂正が次々に発生し、論理整合性がいつも気になり、
厄介なものだ。
自分の勉強が進むにつれて、書き直したくなる。


わたしは辞書を一冊出版していて、
それを改定する作業も一回経験して、
最新版はネット辞書になっている。
そんな関係もあり、出版各社がどのような体制で
見出し語を選定し、説明しているか、興味がある。
辞書というものの性質上、簡潔さが求められる。
値段を安くしたいので、情報を詰め込む。
出版後、こっそり訂正している部分もかなりあるはずで、
そんなことも気になる。


最近は類語辞典の類が増えた。
類語辞典は普通の辞典よりもさらに困難だろうと思う。
見出し語の選定、検索システムの提供。
最近は全文検索で探せばいいし、あいまい検索もできるので、道が開けた。


新潮社から、漢文を読むための漢和辞典ではなく、
日本語を読み書きするための漢字辞典というのも出ている。
漢字文化圏の話とか、
中国の簡体字、台湾の漢字などを目にする機会もあり、
漢字について、どの程度日本独自なのかについて、
知るのも悪くないと思う。


辞書以外では出版社が、
文藝春秋、講談社、光文社(ここは海外古典の新訳で儲かった)、新潮文庫、小学館、集英社、角川書店。


他業種では、
ミサワホーム、積水ハウス、大和ハウスが、ハウスメーカー。
デパートは三越と高島屋。たれ目でなで肩で和服がよく似合う。
和服は肩パットをはじめ、いろいろと整えるようだが、
この人はかなりなで肩ではないか。
だから多分肩もこる。当帰芍薬散がぴったりの、当芍美人さんである。


クラブツーリズム、東横インがご挨拶。
日産、トヨタ、HONDAがいずれも、エコとロボットを前面に出している。
花王、メナード、Cannon、Panasonic など。
メナードはとても美人だけれど、和服は最高とは言えない。


利益を確保していそうな会社から広告会社が搾り取っている。
利益が出ているということは社員が泣いているということかもしれない。


積水ハウスはとてもきれいなメッセージ。
でも、そう思うのは小学生まで。
広告というものは如何に嘘であるか、深く実感されるこの正月である。
そして、その隣に並んでいる記事も、多分、嘘が多いだろうと思う。


嘘だからこうして見ていられるのかもしれない。
普段載っている通販や健康食品の広告など、ひどいものが多い。
広告に応じて、朝日新聞の記事も、中身がずいぶんやせてしまった。