二次元と三次元

生まれた時からの全盲の人に、
絵はがき、写真、絵画、映画、テレビ、そんな類のものを
どう説明すればいいのかという話があった。

生きていて人の話を総合すれば何となくは理解するのだろう。

しかし、原理的にはどうなのだろうか。
三次元像と二次元像の原理と違いをどう説明したらいいのだろう。

鏡というものをどう説明したらいいのだろう。
そして、鏡は、左右が逆になっているのではなくて、奥と手前が逆になっているのだと、説明して、分かってくれるだろうか。

目が見えていたって理解はしていないのだ。
それを説明することは難しい。

むしろ、録音機というものがあって、音が再生されるのだということの方が、
説明しやすい。
もちろん、厳密に言えば、ステレオ音がモノラル音になっていたり、
周波数で見れば、省略されている音域があったり、
そっくりではないけれど、説明は簡単だと思う。

私たちはテレビで二次元像を見て、
それを疑問に思わず三次元像として解釈している。
一体何をしているのか、説明が難しいという話である。