尊敬と嫉妬

尊敬されるより嫉妬されたい
というコマーシャルの言葉がある

伝統的知識階級は尊敬されることがいいことであり
嫉妬されることも嫉妬することも卑しいことだと言われてきた

だからあからさまに
能力を見せびらかすことはしなかった
財産や美貌も隠すものであった

またあからさまに嫉妬もしなかった
嫉妬など知りませんという顔をしているものだった

しかしそれでも嫉妬は広がり
完全隠蔽してもなお嫉妬される場合
ため息をつきながら
むしろそのため息はナルシスティックであったものだ

上海のような街になれば
むしろ嫉妬されるように振る舞い
嫉妬を誘発すべく挑発し
挑発された側は、はっきりと嫉妬して賞讃する

そのような文化もありだと思う
その分かりやすい印が
ブランド物であり
ブランド学歴であり
ブランド家柄である

どれも私には縁がないが
そのことで嫉妬する者も嫉妬される者も卑しいと思うので
気持ちだけは昔の知識人的である