昔使ったモンブラン 書く行為の変化

「書くこと」についての意識もだいぶ変化があると思う。
昔は書くことは高度に知的な作業であると思われていた。
漢字を知らなくてはいけない。
最近は変換すればいいので、おしゃべりを打ち込むだけでいい。
書道の教養がなければ、達筆とはなりにくい。
最近の文字は、もう、平安時代の平かな発明と似て、
平成時代のデジタル文字である。

昔の人はモンブランの万年筆に憧れたりしたものだ。
私も昔の人なので、とりあえずモンブランの万年筆を使い続けた時期もあった。
そのあと顔料インクを使った時代があった。
次はキーボードだった。

歳を取ったという要因もあると思うが、
多分キーボードの影響もあって、
最近は文章が頭に浮かぶことは少ない。
手書きで文字を書いていた若い頃は、
文章そのものがくっきりと頭に浮かんだように思う。
いまも手書きで訓練すればそうなるだろうか。
キーボードで入力していると、
文章を音読しているように思う。

ノートとペンから、キーボードとハードディスクへ、
このような大きな変化を体験できた世代ということも、
ありがたいことだ。