従順さの回路

人間の脳にはもうどうしようもないくらいの
従順さの回路がある

その回路を悪用する人たちがたくさんいて
子分を引き連れて今日も座談である

世俗の宗教はまさにこの回路を最大限に利用しているし
合理的な効果の説明の出来ない芸事などもこの回路に依存している
各種健康法もかなりこの従順さの回路に依存している
軽いマインドコントロールである

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しかし世の中で従順さはたしかに価値がある
従順さゆえに親分に選ばれれば、幹部である。
親分の分身としての役割を果たす。
あくまでも従順に。

能力のある夫、自己愛の強い夫にとっては、
従順な妻は不可欠である。
そして妻の側からいえば、
夫の才能を世間への通行証として利用できるのだ。
従順にしているだけで、
才能のおすそ分けにあずかることができる。

どうしてそんなことになるのか
不思議でもあるが、とにかく現状ではそうなっているので、
認めざるを得ない。

教養あり、財産あり、収入あり、家柄もよく、人柄もいい人の配偶者は、
しばしば従順の徳を備えている。
大体が外見が美しい。
美しくて従順ならば、そばに置いてもいいだろう。
そんなタイプの人が多い。
どこで見つけてくるのか分からないが、
見事にそんなタイプである。
そんなタイプの妻を選んだ人が結局は偉くなるのかもしれない。
因果関係は分からない。

だから従順さはとても得をしている。
都心でランチをゆっくり食べている奥様同士の
話題は子育てとペットとお料理、夫の実家の悪口であるが、
基本的に従順な人たちで、
現在の幸せを壊してしまうようなことはしない。
海外に行ってしまう女性はたいてい従順でない性質の方だ。

白金や青山でランチを食べて買い物をする暮しの方が、
才能をぎりぎりまで試される生活よりもいいと思える。
いいよねとお互いに確認しあっている。
一番まずいのは、その中の一人が、作家になったり、
何かカタカナの職業で売り出したりしたときで、
みんなでその人のお手つきを待ち望んでいるらしい。
世間は残酷なものだ。
お手つきの第一は情事である。

従順にしていればすごく得をする事を教えても、蹴ってしまう人がいる。
わたしは自分の才能で生きていくと言い切ってしまう。
世の中はそんなに甘くない事を10年くらいの間に思い知る。
そしてこどもを生む生まないの話でプレッシャーをかけられる。