ネット的環境

簡単に言うと
王子様にお仕えするお手伝いさんに
いつもかしずかれている
環境

たとえば太宰治が過ごした幼年期

そればそのまま延長して
自分の部屋にも
ポケットの携帯にも
お手伝いさんがいて
坊ちゃんはすごい
お嬢ちゃんは素敵
といい続けてくれている

肥大した幻想的全能感
ナルシスティック・サプライはネットの向こうにいつもいる

全能感はあるものの
力を行使できるのは
ネットの向こうの誰かに対してだけ
ネットの中ではすごいのに
現実の生活ではコンビニのバイトを削られている

小泉も安倍も福田も小沢もどうしようもないと言い散らし
しかしそのどうしようもない人の
決めた派遣労働で今日も働く

それを無力と思わないすり替えがどこかにある

*****
昔精神科病院には
「私は国連事務総長、主治医の君にだけは伝えておくよ」といいながら、
掃除の時間になるとまじめにモップがけを続けている人がいた。
国連事務総長も自分の住んでいる場所くらいは掃除するのがいいと思うが
そこはどこかを考えると
これが精神病に特有の意識の二重帳簿なのだ。
矛盾はあるが片方が片方を論理的に圧倒してしまうことはない。
奇妙に同居している。

ネット世界の住人は
自分は国連事務総長だと言うことはないと思うが
自分はかなりの情報を握っていて、自分をリーダーと思っているネット上の子分もいると
感覚してはいると思う。
そのことが現実の就職活動に役に立たないのは
特に矛盾とは思わない。
これは軽度の二重帳簿的事態だと思う。