赤面症 どう見られる

赤面症 どう見られる

 70歳代女性。小さいときから恥ずかしがり屋で、今でも顔が赤くなることがあります。特に長い時間話していると赤くなるくせがあります。ただ、相手によっては赤くなりません。出来るだけ多くの人と話をするように努力していますが、いまだに治りません。

 顔が赤くなることを、ほかの人はどのように見ているのか知りたいのです。

 頼りないと受け取る人もあるでしょう。私は自分を恥ずかしがり屋だと思っているのですが、ほかの人から「緊張しているね」と言われることもあります。ささいなことなのですが悩んでいます。(奈良・Y子)

 

 「人と話している時に顔が赤くなって、相手に不快感を与えないか」と悩むのは、「赤面恐怖症」と呼ばれ、日本人の代表的神経症とされてきました。私が精神科医になりたての、今から30年くらい前には、神経症と言えば、ほとんどこのタイプばかりでした。

 ところが、最近赤面恐怖症はめったに見られなくなりました。日本人が恥ずかしがらなくなったからではなく、恥ずかしがる前に人を避け、閉じこもってしまうようになったためだとも言われています。

 あなたの場合、かつて多かったタイプのようです。世間から逃げていないし、人から被害を受けていると感じるのではなく、相手が自分をどう思っているかだけを気にされている。ただ、いくつか勘違いがあります。

 まず、赤くなるのは生理的現象。それを止めるのは暑い日に汗をかくなというようなもので、本来無理です。第二に赤面はいろいろな理由で生じる。必ずしも心の弱さの反映ではない。それで心の動きを推察することは誰にもできません。第三に緊張している、頼りないと仮に思われても、人は嫌いはしない。むしろ逆であって、顔色一つ変えない横柄な態度の方を人は嫌がるのだと思います。