小児のライフスタイル再検討

いま子どもを取り巻く環境はどうなっているか、そのことが発達・成長にどのように影響を与えているか、慎重に考える必要がある。

1.5~19歳の死因の第一は交通事故など不慮の事故である。10歳未満は歩行中、10~14歳は自転車事故、15歳以上はバイクや自転車の事故である。

2.広場がなくなり、道に出れば自動車にひかれる危険があり、外で自由に遊ぶことは難しい。

3.室内でも遊ぶ空間は狭い。走り回るほどではない。

4.商品を使って遊ぶようになった。テレビゲーム、ファミコンなどが代表である。自然から遠ざかっている。

5.夜更かしをして睡眠不足、慢性疲労である。

6.テレビ画面の人物が理想になり、拒食する。

7.スポーツでも、早くからテレビ画面の選手の模倣をして、無理と分かると自信喪失してやめてしまう。

8.自分でものを作らない。準備もしない。お金を出して、ほしいときにほしいものを手に入れる。人間は作る存在ではなく消費する存在になる。

9.体は欲求を満足させ、快楽を求める器になる。快と不快の原則が中心になる。

10.スポーツでは早期に選抜と評価が始まる。スポーツ能力のない子どもはスポーツから遠ざかる。

11.少子高齢化が進行している。

12.一学級あたりの児童数が減少している。小学校で28.8人。中学校で33.8人。

13.進学率が高い。塾や習い事で忙しい。一方に過剰適応する子どもがいて、一方では登校拒否や心身症になる子どもがいる。高学歴を目指す子どもとそうでない子どもの早期の二分化が進行している。

14.一人っ子が増えている。親の過度の期待。子どもの個人主義。

15.共稼ぎ世帯の増加。

16.離婚率の増加。母子世帯、父子世帯の増加。同居している親のいない未成年者が全国で3000人。

17.核家族化。

18.夜食を食べて朝食を食べない。

19.好きなものを好きなとき好きなだけ食べる。偏食の傾向がある。野菜の不足。あるいは野菜自体の成分の劣化。肥満傾向。

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それでも何とかすくすく育っている。けなげなものだ。