感情

感情はなんのためにあるのだろう。

過ぎたことを悲しんでもなんにもならない。
感情を引きずらずに、忘れた方が生きやすいと思うことは多々ある。

知能指数IQに対応させて、感情指数EQということがある。
社会の中で他人とあまり衝突しないで生きていく感情表出能力である。
愛嬌がないなどと言う時は、これを指している。

確かに、感情は、目の前にいる他人に対して、
赤信号、黄信号、青信号などを発信しているのではないかと、
感じることはある。

感情表出Emotional Expression :EEという用語もある。
High EEといえば、感情表出のあり方が過剰である場合をいう。
たとえばお母さんは一日に何度も子どもに対して「早くしなさい」というものだ。
その場合に、感情をたっぷり乗せて、「早くしなさい」という場合。
感情をほとんど乗せず、「ニュートラルな感じで」いう場合。
言葉の内容自体も問題であるが、
それ以上に、言葉を発する時の、感情の乗せ方が問題で、
そこから感情の行き違いが発生するといわれている。

昔流行した話で、ダブルバインドというものがある。
たとえば、お母さんが子どもに、
「こっちに来なさい」と言葉では言いつつ、
態度で、「こっちに来ないで」と伝えていたとすれば、
子どもはどうしたらいいのだろう。
ダブルバインドは二重拘束という意味で、
言葉の表面的なメッセージと、
言葉の裏のメッセージが異なっていて、矛盾している場合を指す。

相手に対して言葉の表面の意味ではなく、表情や仕草や声色で、
「あなたを肯定する」から「あなたを否定する」まで、
いろいろなメッセージを伝えている。

感情は、自分に対しての効用もあるけれど、
他人に対して、いま「肯定」か「否定」かを表示するものだろうと思う。