PCヘビーユーザーを襲う「マウス症候群」

PCヘビーユーザーを襲う「マウス症候群」
2005年08月01日
 最近、パソコンを頻繁に使う人の中に、関節の痛みやしびれ、頭痛やめまいなどを訴える患者さんが急増しています。このようにパソコン、中でもマウスを長時間、不自然に手首を固定した状態で使い続けるために起こる体の不調を「マウス症候群」と呼びます。

 マウス症候群は「マウスけんしょう炎」とも呼ばれています。症状としては、(1)手首の痛み、(2)ひじや肩の痛み、(3)握力の低下、(4)腰痛や背部痛――などが見られます。

 しかし、マウス症候群がもっと恐ろしいのは、肩こりや手首の痛みなどといった、体の一部だけの問題だけでは済まされないことです。つまり、マウスを利き手だけで使用することにより、利き手側に過剰な負担がかかり、本来は左右対称であるはずの身体の軸のバランスが崩れて、神経や血管が圧迫されたり逆に不自然に伸びたりしてしまうのです。

 その結果、血液の流れが滞り、頭痛や耳鳴り、目の疲れ、むくみ、肌荒れ、胃もたれなど、さまざまな症状が全身に表れます。しかもこういった症状は、パソコンが原因とはなかなか思い当たらないものです。

 もし、あなたがパソコンのヘビーユーザーなら、マウス症候群かどうか、早速、以下の項目をチェックしてみましょう。

mouse_checklist.gif

 上記の12項目のうち、いくつ当てはまりましたか。

●0〜1個の人

 あなたはカッコいいきれいな姿勢でパソコンに向き合っています。体の軸に注意して、これからも良い姿勢を保ってください。

●2〜6個の人

 パソコン作業の合間にストレッチ体操をして、疲れを次の日に残さないようにしてください。痛みがある場合は要注意です。

→下記お勧めストレッチ体操のページへ

●7個以上の人

 マウス症候群の可能性があります。かなり疲労が蓄積しているようですので、早めに専門の医師などに相談しましょう。

 なお、筋肉があまりない女性の場合、わりと早い段階で肩こりなどの症状が起こり、来院するケースが多いようです。しかし、男性の場合、症状に気づきにくいケースが多く、頚椎ヘルニアなど首の神経障害にまで進行し、手術が必要になるような、非常に悪化した状態でようやく来院する人も少なくないのです。

 女性の訴える症状が1〜2週間で改善するのに対し、男性は約1カ月ほどの治療期間が必要になることも少なくありません。

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パソコン作業時の正しい姿勢とお勧め体操
2005年08月01日
 パソコンを使用していると、何時間も座りっぱなしで作業してしまうことがあるでしょう。マウス症候群を予防するのに、まず覚えておいていただきたいのは、人間は立って歩くのに適した骨格をしており、長時間座りっぱなしでいるのに適した骨格ではないということです。

 また、パソコン作業をしているとき、キーボードの手前に書類を置いて、前かがみの状態でキーボードをたたいていませんか。この姿勢では、肩が不自然に前方に落ちて、猫背になり、背骨全体のカーブの形が崩れてしまいます。さらに、あごが上がり、顔が前に突き出た格好にもなるので、腰に負担がかかります。こうした不自然な姿勢では、首から頭へと流れ込む血管が障害を受ける恐れもあります。

 まずは、パソコンを使う体勢を見直してみてください。マウスは、できるだけ体の正面に近い位置に置きましょう。また、わきを自然に締めた高さでキーボードが打てるように、椅子の高さを調節しましょう。背中にクッションを入れるなどして、猫背になるのを防ぐことも効果的です。

 そして、できれば1時間に1回は休憩を取り、以下のストレッチ体操を行って、症状の悪化を防ぎましょう。

   1)首や肩の疲れを解消
肩甲骨の間の筋肉を緊張させるように胸を反らしていく。息を吐きながら、同時に首も後ろに反らす。首に痛みがある方は無理をしないように。10回が目安。

   2)足のむくみやだるさを解消
その場での足踏みですが、ひざが90度以上あがるように注意する。1日中同じ姿勢の時などに効果的。足があがらないときは、徐々にあげられるように無理せず行う。片足20回が目安。
 
  3)腰・背中の疲れ
デスクワークが続いたときなどに行う。椅子に座ったまま、両手をあげて息を吐きながら腕も後ろに反らす。椅子の後ろに、写真のようにタオルなどをはさむと効果的。5回が目安。