さいはての町 私は着いた

彼の車に乗って
真夏の夜を 走りつづけた
彼の車に乗って
さいはての町 私は着いた
悲しい出来事が
起こらないように
祈りの気持ちをこめて
見つめあう二人を
朝の冷たい海は
鏡のようにうつしていた
朝の冷たい海は
恋の終りを知っていた

真夏の出来事 平山三紀