涙を流す

涙は不思議だ
涙をとめて下さいという人たちが結構いるものだ

涙はかなり純粋な塩水の成分に近くて
にごった涙を流す人もいないし
涙がくさかったと言う話も聞いたことがない

悲しいとき、感激したとき、悔しいとき、さらにはうれしいときにも涙が出る。

悲涙、感涙、悔し泣き、うれし泣き。

映画で女優さんはキレイに泣いている。
涙は自分のためと言うよりも、
他人への何かの信号という側面もあるのだろう。
人の涙をみるとき、人は感情を動かされるようにできている。
母が子供の涙を見るときのように。

人生の最初に赤ん坊は泣いて、
お母さんに何かを訴えている。
母への信号なのだろう。

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眼球表面の保護が涙の本来の使命なのだが、
他者への感情伝達の手段として使われるようになり、
さらには
「あら、わたしったら、涙を流しているわ。
心のどこかが泣いているのね」
「思いっきり泣いたら、スッキリしました」
という具合に
カタルシスの一手段として用いられる。

「わたしったら、不思議だわ。
あの方のために、泣いて差し上げたいのに、涙が出ないの。」
なんていう具合の涙もある。
この場合は、表面的な意識の背後にある本心を、
涙が出ないことによって、
自分自身が知ることになる。

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涙を流すことで、
眼球表面のゴミを流し、
感情の掃除ができる。
不思議なものだ。

多分、涙が流れることで、
母親に大切にされた記憶の回路が活性化し、
そのことで癒されるのだろう。

男があまり泣かないのは、
擬似母親に愛されることを反復するからだろう。

女性は泣くことで、
脳の回路の中にある母親を呼び出しているのだろう。

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部長さんが女性社員に泣かれて困るのは、
部長さんの母性部分が刺激されるからではないか。
困った挙句に怒ったりするので、
ますます泣かせてしまう。

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なみだ屋総本店社長とか
NGOなみだ会代表とか
なみだ党の元締めみたいな人もいて
年中泣いている
自分の事でも泣くが
電話で人の話を聞いて
一杯泣いている
映画でもやはり泣いている

泣くとスッキリしてルンルンしている
泣く動物と言ってもいい
同時に歌う動物でもあるようだ
飲んで歌う