ΔR/R 感覚ピークのブブカ的分割

人間の喜びは感覚の一種であるから
一度強い喜びを感覚してしまえば
それ以下のものは少し物足りなくなるはずだ
これが人間の感覚の一番の問題点である
時々リセットして赤ん坊みたいな状態になれば
わずかのことにもフレッシュに感じられるはずなのだ

人の優しさに敏感になれるし
女の肌が温かいと思えるのに

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社会主義的計画経済ではないが
感覚の最大点がだいたい推定できたら
すぐにそれを体験せずに
計画的に分割して常に新しい最高点を感覚しつつ
しかしさらにその次の楽しみもあるという状態にしておきたいものだ
それが知恵というものだ

たとえば会社での昇進などはそのように徐々にしか達成されないものだ
能力があるからといっていきなり社長になってしまえば
徐々に退屈の病に冒されてゆく
じりじりと一歩一歩歩かせられるのが一番よい人生なのだ

ここでもブブカ方式がよい
ブブカは自分が飛べる最高点にはチャレンジしなかった
次から世界記録が出せなくなるからである

いつの大会でも必ず世界新記録を出して優勝する
そのためには前大会の記録よりも一センチだけ高く飛ぶ。
それでいいのだ。

難しいのは、今日はよほど体調がいいので記録に挑みたいという誘惑に駆られたときである。
そのようなロマンティックなヒロイズムもあるだろう。
しかしブブカはハードボイルドである。

体調なんか何とかするさ。
予定通りに一センチずつ更新するんだ。
そのような方針で実際にハードボイルドに跳んで見せたのだ。

まことにそのようでありたい。
人間は自分の感覚の限界点を大切にしなければならない。
そこに到達するまでの道のりを自分でコントロールすべきである。

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子どもにいきなり最高のものを買い与えるのは愚かである
小刻みにハードルを挙げていけば何度も味わえるものを
無駄にしている