自己愛的二者関係

たとえば
お坊ちゃんとばあやの組み合わせ、太宰治の場合。
また、義経と弁慶、ドン・キホーテとサンチョメパンサ、など。
マザコン男性と世話焼き女性。
アルコール依存症男性と共依存女性。
男性が自己愛的で女性が母性的だと一応の二者関係は成立する。
逆に強い女性とそれをサポートする男性でも成立する。

二人だけなら共有する幻想の中で愛し合えばいいので、それはそれでいい。
しかし三者関係になり、それ以上の人が関わるようになると、
幻想を共有しない人が当然現れるので、関係は壊れる。

共依存の女性の場合に典型的だけれど、
主観的には懸命に尽くしている。
しかしよく見ると男性に調子を合わせてもらっているし、
男性に配慮されたり我慢してもらったりもあるのであって、
一方的に女性が忍耐している関係でもない。
釣り合っているのである。
釣り合わないなら破綻する。

共依存という言葉が示すように
ただ単に一方が依存しているのではなく、
お互いに依存している。

男性の側はただ気持ちよく尽くされているのではなくて、
どのように尽くされればいいか、
タイミングを計りながら上手に尽くされなければならない。
ならないというとおかしいが、
こんなタイプの人に特有で、
わがまま放題を言って依存しているようでありながら、
相手の依存も引き出しているのだ。
女を泣かせているけれど、
そのように泣きたい女なのだ。

共依存を見ると周囲の人の反応としては
本人同士の好きだからいいだろうということも多い。
それくらいお似合いなのである。