思わず食事の話-3

精のつく食事
ステーキなんかをむしゃむしゃ食べるのはやはりいいと思う。
自分は野蛮人だというくらい食べる。


うなぎにとろろを載せてさらに卵を載せたどんぶりはうなとろ丼という。
精のつくものを重ねれば何とかなるのではないかという、
銀座の夜の食事である。
うなぎは中国産なのかどうか分からず、
マラカイトグリーンの味がしないか気になる。


さしみは精がつく。
マグロの柵をひとつ買ってきて、しばらくあれこれ食べたりもした。
効き目はかなりある。
最初は普通に刺身。
次第に細かくして、ご飯と混ぜて食べ、
錦糸玉子と取り合わせて食べ、
最後は納豆と合わせて食べる。
でも最近は水銀入りだとの話もあり、
どうかなと思っている。


最近はにんにくをスタミナ源にしている。
画家のピカソは、女性を大切にしたので、そのために、にんにくを異常なほど摂取した。
訪問客は、異様なほどのにんにく臭に驚く。
天才だから許される。

にんにくをきざんでいろいろな料理に混ぜる。
にんにくをスライスして、ガーリック・チップスのようにして少量、添える。
丸ごと電子レンジで温めて、かじる。ほくほくしておいしい。体が温まる。
青森産が有名だが、中国産とくっきりと違うのかといわれると、なんともいえない。
怪しい感じはする。


調味料のひとつににんにくパウダーがあり、
栄養の点では知らないが、風味はいいので、台所にある。
いろいろなものに、にんにく粉とかカレー粉とかかけている。


*****
これまでで経験した中では、横浜中華街の老舗で食べたコースがよかった。
その店の前にはごてごてした宣伝などなにもない。そっけない店だった。
前菜のエビチリソースは、エビが巨大で、それだけでメインになる。
ふかひれもそう。それだけで充分に話の種になる。
いろいろあったが、すっぽんのスープというものもあって、
一緒に行った女性は遠慮したので、二人分食べた。


その夜から体がほてるし元気が出るしで、困ったものだった。
次の日、体から依然として体から「気」が出ている気がして、
それはフェロモンだったかもしれない。
何かの拍子に、のどの奥から、古い紹興酒の香りがした。
すばらしい味わいで、今も記憶にある。
考えてみれば、かなり日本風の味付けが入ったものだっただろうと思う。
素材がよければこんなにおいしいと誉めて食べていたけれど、
ひょっとしたら、味の素とにんにくパウダーと鶏がらスープの素で
つくれるものだったかもしれない。
元気が出たのは、料理のせいではなくて、一緒にいた人のせいかもしれない。