おらこんな村いやだ 俺ら東京さ行ぐだ

ハア
テレビもねえ ラジオもねえ 車もそれほど走ってねえ
ピアノもねえ バーもねえ 巡査毎日ぐーるぐる
朝起ぎで 牛連れで 二時間ちょっとの散歩道
電話もねえ ガスもねえ バスは一日一度来る
おらこんな村いやだ おらこんな村いやだ

若者は 俺一人
婆さんと 爺さんと
数珠を握って 空拝む
映画もねえ たまに来るのは紙芝居
新聞ねえ 雑誌もねえ たま来るのは回覧板

俺ら東京さ行ぐだ/吉幾三

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当世風防人の歌
または蝦夷の歌

病院ねえ
医者もいねえ
薬もねえ
検査も出来ねえ
救急車もねえ
それでも東京には行きたぐねえ
税金でなんとがせ
長生きさせろ
おいらの一票でなんとがせ

と現代のお年寄りはラップで歌っている

俺ら東京さ行がねだ
選挙区で自民と公明と民主を応援するだ
ばら撒け クレクレ
ばら撒け もっと 
国が借金してでも 金をクレ

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(結局、どこに投票しても同じ。
田舎をリストラするなんて誰にも言えないのだ。)

若者が中国の工事現場に行って稼げればいいのだけれど
為替レートがまだだめ。
インドの工事現場で稼いで
インド人家族を養うのならできるのかもしれない。
インドの雑踏に紛れてスープカレーでも食べて暮らそう。
象の神様はガネーシャ。金色に光る。