自分の姿

今日、道を歩いていて、にわか雨が降りだし、
信号が赤で、雨宿りのつもりもあって、
プランタン銀座の傘の特売のコーナーに入った。
2500円にてご提供と鮮やかな声質の女性がさえずっている。
いい声だなあ。
傘が自分に似合うか確認するための鏡があって、
自分の姿を見た。

違和感を感じてしまったのだが、どうしてなのだろう。

考えてみれば、普段自分の姿は、トイレのあとの洗面所の鏡で見ている。
そのときの光の具合とか、フレームの具合とかは、
他人が自分を見るのとはかなり違っているはずだ。

少なくとも、洗面所の光を浴びて、洗面所の鏡の枠の中で、
見る他人は、いないはずなのだ。
自分しか見ていない自分である。

洗面所の鏡は垂直で、
傘売り場の鏡はすこし上を向いていた。
それも大きな違いだ。
こどもから見れば、このような見上げる視線になるのかな。

などと思って、信号を渡り、西銀座デパートの側に歩いて行った。