宇宙と脳が宇宙と脳を理解する

物理学で記述されるこの物質の宇宙の中で
脳が発生し宇宙を記述し始めた
脳は自分をも含む宇宙全体を統一的に理解しようと試みている

脳がなければ宇宙はただ静かに存在している

宇宙の一部分として脳があるので
脳が宇宙を理解しつつある過程で
脳は自分自身を理解し始めていると言っても良い

脳が脳を理解する……これは難しい
脳が宇宙を理解する……これが自然な行為
宇宙が宇宙を理解する……さらに壮大で難しい

脳が物質世界を理解するとき、
脳自身をも理解し始めているのだという事実。

何のことかといえば、
脳が脳を理解するとき
今現在脳の中では「脳のある部分の理解が起こっているということ」が起こっていて
そのことがとりもなおさず理解される脳に起こっていることで
理解する側の脳に起こっていることと同じことなのだと
いう微妙な奇跡が起こることになる。

どう表現したらいいか分からないがそんなこともある。

多分、脳が脳を理解するとき何が起こるのか、
自己参照のパラドックスみたいなことが起こるのかどうかという、
すでに古典的な議論。

脳1が脳2を理解すると初めは分離して考えて、
その特殊な例として、自己理解を考えればいいのだろう。

それにしても、自分を理解する過程を自己理解するとはなかなかの誘惑ではないか。