米原万理「不実な美女か 貞淑な醜女か」

以前からタイトルは目にしていたのだが、
そのタイトルの印象から、手に取るには至らなかった。
今回読んでみて、大変おもしろかった。


翻訳や通訳というものは
まず原文を本当に深く理解して、
それを聞き手の状況や理解度、必要に応じて、
提供することに尽きる。


その全体について、高度な状況判断が働く。
つまりそう言うことだろう。
そして本書には、その具体的事例が詰まっている。


この人の文章を読んでいて思うのだけれど、
多分、生きていることが楽しかったのだと思う。
こんなにも楽しいものなのか、生きると言うことは、
そう思ったのだ。


それにしても通訳とは、実にすごい種族がいたものだ。