飾りじゃないのよ涙は / 井上陽水&安全地帯

飾りじゃないのよ涙は / 井上陽水&安全地帯

これを見て、
おっ、貴乃花親方が!
と思った

中森明菜も見てみたけれどいいのがないみたいだ

  私は泣いたことがない
  灯(あかり)の消えた街角で
  速い車にのっけられても
  急にスピンかけられても
  恐くなかった
  赤いスカーフがゆれるのを
  不思議な気持ちで見てたけど
  私泣いたりするのは
  違うと感じてた
  
  私は泣いたことがない
  つめたい夜のまん中で
  いろんな人とすれ違ったり
  投げKiss受けとめたり
  投げ返したり
  そして友達が変わるたびに
  想いでばかりがふえたけど
  私泣いたりするのは違うと感じてた
  
  飾りじゃないのよ涙は HA HAN
  好きだと言ってるじゃないの HO HO
  真珠じゃないのよ涙は HA HAN
  きれいなだけならいいけど
  ちょっと悲しすぎるのよ涙は
  HO HO HO・・・HO HO HO・・・
  FU FU FU・・・WHA !

  私は泣いたことがない
  ほんとの恋もしていない
  誰の前でもひとりきりでも
  瞳の奥の涙は隠していたから
  いつか恋人に会える時
  私の世界が変わる時
  私泣いたりするんじゃないかと
  感じてる
  きっと泣いたりするんじゃないかと
  感じてる
  
  飾りじゃないのよ涙は HA HAN
  好きだと言ってるじゃないの HO HO
  真珠じゃないのよ涙は HA HAN
  きれいなだけならいいけど
  ちょっと悲しすぎるのよ涙は
  飾りじゃないのよ涙は HA HAN
  かがやくだけならいいけど HO HO
  ダイヤと違うの涙は HA HAN
  さみしいだけならいいけど
  ちょっと悲しすぎるのよ涙は
  ラララ・・・ラララ・・・
  ラララ・・・ラララ

*****
日本人は男でも女でもこれだけよく泣くウェットな国民なのだから
私は泣いたことがない
という一行は充分に衝撃で
ドライショックである

そして
怖くなかった
違うと感じてた
と語り続けて
デパーソナリゼーションを
明らかにして行く

この少女にとって
現実も感覚も
自分の感情も
遠いのだ

遠ざけておかなければならない
危険なものだったからだ
どちらも

赤いスカーフが揺れてるな
ふしぎだな
なにこれ?

そして

いつか恋人に会える時
  私の世界が変わる時
  私泣いたりするんじゃないかと
とつづく
これは歌謡曲だからこれでいい
現代詩としては
とても安易な妥協だと思う

現代詩のテンションから
酒場の歌謡曲のテンションへの突然の接続
ほとんど混線状態である

好きだと言ってるじゃないの
などといいつつ
混線は深まって行く