躁うつ混合状態

躁うつ混合状態は、クレペリンも、若年者に多いと指摘していた。
だから典型的によくあるというものでもない。

レオンハルトも、なにか躁うつ混合状態について、肯定的なことを言っていたらしい。

観念奔逸があって多弁、易努的でありながら、自責的、抑うつ的で微小念慮を口にするといった例。

たしかに、現在は、薬剤の影響や精神療法の影響があるので、
純粋な自然状態で、躁うつ病の経過を見ることは難しいと思う。

躁状態で他人にいろいろと関与し、
うるさがられてかなり文句を言われたりしたとき、突然うつになり、
そんな場合には、
行動やイライラは躁状態に属し、悲観的思考はうつ状態に属し、などということがあり、
それを反応性というべきかどうか、迷う。

おおむねは、うつはうつでひとまとまり、躁は躁でひとまとまりなのだが、
そうでない場合もあるので、
病気の成り立ちとして、
何か単一の物質が多ければ躁で少なければうつで、
といったような単純な話ではないだろうと見当がつく。

興奮性うつ状態agitated depressionは
抑うつ感情に精神運動興奮、思考促進が加わったものと考える。

クレペリ ンは、気分↓、意欲↑、思考の早さ↑ などを記述していたらしい。

なるほど、そんな例もある。
それを測定できないから、難しい。
気分、意欲、思考、意識、行動、自我意識、自己評価、などと各方面について評価して、
ばらばらなことがあるのだ。
ばらばらなことをとらえて、
意識の障害ととらえるのも方法であるし、
非定型という概念も有効である。

大阪の満田の非定型精神病は、
東大グループがシゾフレニーと診断した家系に起こっているらしく、
そうなると、
部分的には躁状態、部分的にはうつ状態、部分的にはシゾフレニーで、遺伝的には区別できないということになる。
それとてんかんの要素、また、性的循環の要素など、関係してくる例が挙げられている。
しかしそういった珍しい例は、学問的に検討すべき価値があるというもので、
一般化してもよくないだろう。