ナンキンムシによる刺咬

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30歳の健康な女性。両腕と胸部に掻痒を伴う丘疹が生じ来院した。身体診察では、一部線状の複数の紅斑性丘疹を認めた。前日の夜ホテルに宿泊し、ベッドシーツの上にいくつかの赤褐色の血痕と扁平な虫を見つけ(全長4~6mm)、そのうちの1体を採取した(挿入図)。その虫は、ナンキンムシとして一般的に知られている Cimex lectularius と同定された。ナンキンムシは皮膚の露出部分を攻撃することが多く、ヒトの高い体温や炭酸ガスの産生に引き寄せられる。ナンキンムシによる刺傷に対する皮膚反応は、紅斑性丘疹もしくは蕁麻疹様丘疹を特徴とする。線状または群を形成した分布をする皮疹が典型的である。確定診断はナンキンムシの同定による。疾病伝播の媒介生物としてのナンキンムシの役割は明らかになっていない。局所コルチコステロイドの使用により、症状は2日以内に完全に消失した。Switzerland

シラミ、トコジラミのことなんだそうです。先日南京虫の事を書いたので。