はずれのランチ

ランチは、原則的にリピートはしたくない。

むしろ開拓したい。

たくさん食べ歩いているが、はずれることもある。

そのときには書かないことにしている。

あとで見てつまらないから。

品川ゾーンではランチはおおむね、500-1200円くらいでおさまるようだ。

ビーフシチュー定食でも1200円。

1200円で客に出せるビーフシチュー定食とはどんなものになるか、

想像してみる。

ソースは缶詰、肉は形成肉、ライスもパスタも腐らないから平気、野菜は冷凍。

体にいいもの、新鮮なものを提供したいし、されたいと思うが、

現実には難しい。

体によくて新鮮なものは、いたみやすいし、

品質もバラバラで、寄生虫などの問題も多い。

人間の体にいいものは、寄生虫も他の虫も、バクテリアも、大好きなのだ。

うんと田舎の料理屋で、今日とれたものを、お任せで、という店でしか、

体にいいものは出せないだろう。

寿司屋でも、お任せで、というのがいい店だと思う。

客の食いたいものなんか出せるはずがない。

品川で外食しているからには、

何を食べているのか、知っておく必要は、ある。

男性はまあまあいいとしても、

女性は直接に卵子に影響するから、

考えた方がいい。

男性の場合、精子はそのとき作られて、消えてゆく。

変なものを食べていると、精子そのものが減少する。

変なものを食べていても、まだ元気な精子なら、

かなり元気と考えていいかもしれない。

女性の場合、卵子は生まれた時からセットされているので、

その後の環境の影響を受けてしまう。

高齢出産になるほど危険が増すのも、そのためだ。

たばこも酒も、年数が浅ければセーフで、

多年にわたれば、かなりよくない。

このあたりも、私たち女性は損をしていると思う。

このハンディを背負って、会社で男性と同等以上に働くには、

やはり能力が高くなければならない。

ランチ単価と客数、そして仕入れのお金とか家賃、人件費などを考えると、

お店もなかなか厳しいだろう。

自分で店を経営したとすれば、と考えれば分かりやすい。

メニューを絞れば材料を用意するにはいいが、サービスが向上しない。

冷凍できるもの、缶詰を使用できるもの、業務用レトルトを使用できるもの、

このあたりのメニューを増やせば楽になる。

たとえば、スパゲッテイなどは、ランチには好適だ。

スパゲッテイソースは、作り置きができる。

カレーライスも好適。

トンカツは冷凍できる。

デザートも最近は業務用冷凍品が出回っている。

これなら、某大手ホテルと同じものが出せる。

わたしは変なものを出されるよりも、

大企業が生産した冷凍食品のほうがいいと思っている。

たとえば、ネスレ日本などは、ホテルを相手に見本市などを開いている。

一般客も、たとえば、合羽橋などをひとまわりしてみれば、

自分が食べているものはなんだったのか、

おおよそ見当がついてくる。

業務用食材で太らされたサラリーマン、

それが私たちだ。

ランチ商売は、回転率を上げて数で稼ぐことに限界があるので、

どうしても、家賃、人件費の固定費を吸収できない。

そこで、安ければそれなりのもの、ということになる。

工夫では吸収できないのだ。

規模拡大に限界があることはかなりの制約だ。

たとえば、職人さんの腕がよくても、宣伝がうまくても、

無限に稼ぐわけにはいかない。

シェア拡大には限界がある。

空いていて早い店を好む客も出てくる。

そこがマイクロソフトと決定的に違うところだ。

自分でラーメンを作り、評判になって客が増えたとする。

すると職人を雇いたくなり、その職人にノウハウを盗まれる。

その人が独立する。

そこで利益率は限界にぶつかる。

経営者に徹して、職人を雇う作戦に出ても、

今度はいい職人が引き抜かれる。

業務用レトルトを使えば、他店よりいい味は出ないが、悪い味でもない。

あとはいい場所を確保すればいいだけだ。

人事管理だけをしていればいい。

カードを使えばカード会社に5%とられてしまう。

消費税分をカード会社に納めているようなものだ。

中には現金会計を貫く店もあり、ひそかに賛成している。

このようなわけで、ランチは厳しい商売と承知の上で、

食べ歩いている。