ファンタジーの世界と現実の世界

性の世界でも、
ファンタジーと現実はある

たとえば子供を妊娠して出産するというのは
性の世界の中で現実の部分である

一方、たとえば。SM、ペドフィリア、フェティシズムなど、
いろいろなバリエーションがあるものの、
生殖とは関係のない性の世界というものがある。

個体の生存にも種の維持にも関係のない性の世界が大きく広がっているというのが人間の性の特徴であり、
ひとまずファンタジーの性と名づけておく。

多くの夫婦の場合で、
男性はファンタジーの性の世界を持っていて、
女性は妊娠と子育てを性の世界だと思っている。

それも理由のあることでいいのだけれど、
問題は、男性は女性に自分のファンタジーを打ち明けて理解を求めた方がいいかどうかだ。

大体の場合は、ファンタジーは、夫婦といえども、共有事項ではないと思ったほうがいい。
そしてファンタジーが現実世界にはみ出さないように注意深く、
ファンタジー界に限定しておいた方がいい。

しかしそのほころびが見えてしまうのが、
パソコンと携帯なのである。
ネット閲覧をしていて、その履歴を配偶者に知られる。
配偶者は、自分の同居人を「変態」と認識して、驚く。
人間の場合、正常性欲と変態性欲の区別は時代により地域により恣意的であるのだが、
「だからうちの人も仕方がない、一応現実世界にははみ出て来ないのだし」
と思ってくれる人は少なくて、
「変態は矯正すべし」とかたくなな「学級委員」は決意を固めてしまう。
そしてうまく行かなくなる。

夫が会社から家に帰ってまずパソコンに向かい、メールを書いて、ネットを巡回し始めたら、
妻たちは失望している。