ナショナリズムの有効性

ナショナリズムの有効性は
かつては一国を統合することだった

一国の貧困層が富裕層と一体感をもつ仕組みだった

いまは、各国の富裕層が一致団結してグローバリズムを推進する一方で、
ナショナリズムをあおっている。

この場合のナショナリズムは、
各国の貧困層が、他国の貧困層と憎しみ合うような仕組みを作り上げている。

中国、アメリカ、日本の貧困層は、お互いを同じ立場にある虐げられた人たちとは思わない。
あの人たちはひどいな、最低だな、怖いな、脅威だなと思わせられている。

残留農薬、残留抗生剤、メタミドホス事件など。中国貧困層の作ったものを日本貧困層が食べているのだ。
そんなものを作らざるを得ない人たちと、食べざるを得ない人は達は、同じくらい不幸ではないか。

リバタリアンの活発な動きは一段落して、
世界的には福祉政策見直しに向かっている。

市場を重視しつつも国家の介入による公正の確保という
従来の保守-労働の二極対立のちょうど中間の路線を目指そうとしたのが、「第三の道」である。
イギリス保守党が重視してきた所得税の増税凍結を継承する一方で、
より社会の下層に配慮し公正を目指す教育政策・雇用政策等を展開することや、
弱者を手当てする(ネガティブウェルフェア)のでなく、
家族形成や就労を含めて「社会参加」の動機づけを持つ者を手当てする(ポジティブウェルフェア) という依存型福祉から自立型福祉への移行、
サッチャーによる中央集権政策への反省から地方の自治・自立を促すラディカルな地方分権(スコットランド・ウェールズ・北アイルランド各地方へ地方議会の設置)等がある。

こんな昔の話を出すくらい日本は遅れている。
「依存型福祉から自立型福祉へ」というのは大きな流れで、
自立支援法ができている。
しかしみんな頭の中は依存福祉のようで、
まるでちょんまげを結って背広を着ているような具合だ。