ファンドマネージャーが商売になるわけ

株の運用の世界で、
ファンドマネージャーは、全員がプロで、
それによって報酬を得ているのだから、
「最高最善の投資策は分散長期投資である」などと言ってすましていては困る。

世界株平均や
株のほかに、不動産投資や債権投資を含めた、
世界投資利回り平均を下回るファンドマネージャーは、
プロの中で、原理的に半分は存在するはずで、
その人たちは、無能だったということになる。
負け組みがいるはずで、投資家に損をさせている。

しかし、表面的には、利回りがいくらかは出るので、
すぐにクビということはない。
いくらでも言い逃れができる。
投資家も、言いくるめられて、
平均のリターンを下回っていても、怒らないようだ。

それに、世の中には、年金とか、政府系ファンドとか、日銀とか、
要するに損をしても、痛みを感じない巨大投資家がいて、
それと、ファンドマネージャーが勝負するとすれば、
勝ち負けは見えているだろう。
榊原氏も、ずっと続けるわけではなく、責任は限定されている。

簡単に負けてくれる投資家がいるから、
ファンドマネージャーは商売ができるともいえる。

とすれば、国民は、税金を徴収され、
その一部を投資で取り戻していることになるが、
間に入っている役人と証券会社やファンドマネージャーの年収を支払っていることになる。
国民は、何とご苦労なことだろう。
自分のお金を無駄遣いさせるために、
売る人と買う人を雇っているのだ。

さらにそのあたりの事情を解説する人間にもお金を払っている。
時期が来ればすぐに「はずれ」だったと分かる新聞記事を書く。
そしてそれがどうして外れざるを得なかったのか、解説記事を書く。
何か書けば儲かる。

国民は、悲しいことに、三重に愚か者である。