日本文明の謎を解く 竹村 公太郎

江戸学の助けになる

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 赤穂浪士の騒動を延々とさかのぼっていくと、長良川の水利権争いに行き着くんだって。長良川では、吉良と徳川が、上流、下流の利権を持っていたんだけどね、吉良の方が古くから上流の水源地を押さえて、いつもそこで威張っていたんですよ。
 しかも、徳川と吉良にはもうひとつの確執があって。徳川といえども、征夷大将軍の称号は1代限りだから、徳川家は将軍が代わるたびに称号をあらためなければならない。そのときの取り次ぎが吉良という高家で、徳川家はいつも吉良家に相談をしなきゃいけない。ということで、日ごろから吉良家をわずらわしく思っていて、それで赤穂浪士の討ち入りが起こったときも、ちょうどいいから吉良をつぶしちまえ、ということだった、と。今、僕はすごくはしょって言ったけど、それを証拠を上げながら丁寧に解き明かした本が、『日本文明の謎を解く』竹村 公太郎なんです。

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アマゾンでは
土地の文明 地形とデータで日本の都市の謎を解く (単行本)
竹村 公太郎 (著)

地形とデータにもとづいて、大阪の五・十日渋滞など国内11都市の謎を解き明かし、日本人と日本文明の本質を炙り出す野心作。
忠臣蔵は、徳川幕府の吉良家への復讐劇であった。地図を見るとそれがわかる。▼まず、皇居すなわち江戸城の正門は、一般的には「裏門」であると言われている半蔵門である。江戸の古地図や、半蔵門周辺の地形を考えればそうとしか思えない。いっぽう赤穂浪士たちは、半蔵門周辺にまとまって潜伏していた。そこから見えてくる真実は……後は、本書を読んでいただきたい。▼著者の竹村公太郎は、地形や気象、下部(インフラ構造)から、日本の各々の土地の謎を具体的に解き明かしてゆく。歴史文献だけでは決してたどり着けない真実、そして日本人と日本文明の本質があぶりだされる興奮の快著である。北海道、東京、鎌倉、新潟、京都、滋賀、奈良、大阪、神戸、広島、福岡、これらの土地について少しでも興味がある人、いや、日本に関心がある人なら、本書によって今までにない知的興奮を得ることができるだろう。特別編として、「遷都」「ソウル」の章も収録した。

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抽象的なものを思弁的にもてあそびそれで楽しいならば何も言う必要はないが
このように具体的におもしろいものが提示されると
知ることや考えることの楽しさが腑に落ちる。

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下部構造から歴史の必然を論じたとある。なるほど。