人物評伝のポイント

ゴルフボールの行方を見る時、
まず芝を読み、
次にボールの特性を考える。
そうすれば行方が分かる。

また逆に、何度もゴルフボールを打っている打ちに分かってくるのは、
芝の特性とボールの特性である。

芝は社会条件であり、ボールは性格である。

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人物がどのように生きたかを描く場合、外側からと内側からの必然を描く。

外側からの必然は、どんな状況に置かれていたか、であり、
地理的要因、歴史的要因、生産段階の状況、経済要因、制度要因などについて、外部からあらかじめ与えられて条件として描く。

内部からの必然は、器質、性格、精神病的要因、さらに知能、興味、情動であり、内部からあらかじめ与えられていた条件として描く。

いかなる状況の中に、いかなる性格の人間が置かれたか、
その基本条件を描けば、人物の人生軌跡を説明できるであろう。

また、評伝としての描き方としては、
徐々に人生をひもときつつ、
このような人生であったからには、社会情勢としてはこう、性格要因としてはこう、と演繹してゆくことも楽しみであろう。