老人介護のときの匂い対策

自分も老人なので
匂いについては若い人に申し訳なく思っている
でも自分ではどうしようもないこともあり
若い人の寛容を期待する次第である

おならや便の匂いは
大腸菌の中にある嫌気性菌により産生される
硫化水素が主な原因と説明されている。
硫化水素は、最近問題になっている物質であるが、
数ppmでくさいと感じる、
30ppmで目がちかちかするような粘膜刺激があり、
ヒトの大腸内では2000ppmを超える濃度となっているのだそうだ。

ホテルとかレストランが入っているビルでは、
時間によっては汚水処理が間に合わず、
匂いが放出されてしまうこともあるらしい。
新橋は風が通らない町になっているので、
なかなか大変なことになる。

大腸の粘膜にある代謝酵素が硫化水素を分解してくれるので、
無毒化される。
消化器系のいろいろな病気や不調で、
匂いが増幅されてしまうことがあり、
このことが介護に際しての一種のやりにくさを作り出していると思われる。

ヨーグルトやビフィズス菌を試したこともあるが、
著効はないようだ。
かといって、抗生剤で大腸菌をコントロールしようとしても、
うまくいかない。

また、においについていえば、
ビタミンB1にはイオウ原子が含まれていて、
B1を常用していると、
イオウの匂いが染み出てくることもあるらしい。

清潔にしたいのは山々であるが
年をとるとそうもいかない。

香水は多少の慰めになる。
日本人は元々清潔好きであり、
かつ、体臭がきつくないほうだと思うので、
香水はむしろ過剰な自己主張と受け取られることもある。
女性の香水はまだなんとかなるとしても、
男性の香水は、
何だこりゃということになりかねない。
だから、香水というよりも、脱臭剤が望ましいのかもしれない。
その点では、シーブリーズなどを使ってみるくらいがいいのかも知れない。
また、部屋全体の脱臭も多少はいいと思う。
部屋全体に匂いがこもってしまうことはよくある。
本人は気がつかないものだ。

本来、人間の体臭は、
懐かしいもの、素敵なもの、芳しいもの、と受け取られてもいいはずのもので、
そうはなっていないところに悲しさがある。
黒髪の香りは大切な恋愛の要素であったと思うが、
最近ではシャンプーの香りだろう。

年をとって困るのは、
微妙な香りの問題ではなくて、
あからさまな便臭である。
これは風呂、着替え、シャワートイレなどでなんとかなるかもしれないと思う。
ただ、その自覚を促す、嫌がられるので、
誰がどのように導くかが問題である。
このあたりはやはり女性のほうが敏感なようである。

私自身の思い出でいえば
祖母がずっと桂枝湯を使っていたらしく、
シナモンの香りが祖母の香りである。