配偶者選択

ある人の人生の話を聞くとして、
職業選択と配偶者選択を通じて、多くのことが分かる。

あなたが女性だとする。
男性は二人いて、
代々細川家を受け継ぐ細川さんと、
一代でのしあがった豊臣秀吉さんだとする。

どちらを選択するかで、あなたの価値観はかなりくっきりとあらわれる。
あくまで人物次第という言い方も正しいが、
もっと深く考えてみよう。

細川さんという人物の背景には、理解しやすくて安定した、
諸々の付属品がついている。
ときにはあなたもそれに従わざるを得ない。

豊臣さんは自由といえば自由、気ままといえば気ままである。
あなたも同じ程度の気ままをエンジョイできる。

細川さんを説得してくれる人はたくさんいる。
豊臣さんを説得してくれる人はあまりいない。

選択するとして、どうしたものだろうか。
お見合いおばちゃんが進めるのは、
どうしたって、細川さんだろう。

でも、豊臣さんも、貧乏絵描きではないので、
親も絶対反対というわけでもない。

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もしあなたのおじいちゃんが大金持ちで、
ゴルフ場をもっていたとする。
あなたはときどきそこで遊んでいて、
そのうちに、ゴルフのコーチと仲良くなってしまい、
恋愛、妊娠したとする。
家族のみんなは反対であるが、
あなたは、これが愛だ、お金なんか関係ない、
才能も関係ない、ただ彼は私を愛してくれていると言い張る。

親は頭を抱える。
娘が、「だって好きなんだもん」と言い、
妊娠したという場合、どうしようもないのが通例である。

お金には困らないから、かえって始末が悪い。
能力のない男性は、女性から離れるはずがない。

問題はそのあとのことで、
生活感覚や人生観、特に男性としての力量が、
女性の実家の人たちとぜんぜん違うので、
かなり失望することになる。

テニスのコーチと実業家は、やはり、背負っているものが違う。
明るい好青年は前者であるが、
そのような恋愛は、すぐにさめる。

そのあとが大変である。
お互いにとって。

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豊臣さんが皇室や代々の大名家から側室を迎えたとして、
これもかなり苦労する。
千利休との対立は有名であるが、
実際、細かいところで、感性が合わない。
結局、豊臣さんは軽蔑される側になってしまう。
これはつらい。

だから、豊臣さんは、普通の人を側室に迎えるべきで、
それ以外はうまくいかない。

一般に、男女それぞれの属する社会経済的クラスを考えて、
男性の方が女性よりもやや上等、または同じ、これが結婚の原則である。
これ以外は、うまくいかない。