7歳から漢和辞典

7歳から漢和辞典を読む子は学力が伸びる!
というタイトルの本の広告が
朝日新聞の一面下に載っている。
世も末である。

子供がバカになっている話はもう有名だけれど
これでは親も教師もバカなのだと
思わざるを得ない

ここでは学力とは何かという定義がないから
なんともいえないところもあるのだが
これ以上解説を要しないくらい
稚拙で愚昧である

文章が面白いから漢字を読んで自然に覚える
それ以外の何があるというのだろう

先に漢字を覚えさせれば学力の伸びがいいという話なら
なんというせこい話だろう

運動能力を開発するためには50メートルダッシュを繰り返せ
みたいな話に聞こえる

楽しいから鬼ごっこをするのだし、
走るために遊ぶのではなくて
遊ぶために走るのである

漢和辞典のなかに物理法則へのセンスが埋まっているならいいことなのだが
そんなことがあるはずがない

正直言って理科系のリテラシーがないと
世界で話が通じなし
没落する一方だ

7歳の子が漢和辞典を読めといわれて読むようなら
多分凡庸な弁護士か役人になれるだろう
本質的に愚かだ

人生の意味を考えないくらいラッキーなことはない
考えても結論はないし
その手前のことに頭を使っているほうがお金になる
漢和辞典を読むというのはまさにそのようなことだ
聖書やコーランを読む前に漢和辞典を読むような子供
それをも学力というならば