教育基本法アラタメの件 愛国ランチ

教育基本法を改めたいというので、
与党自公は衆議院にて強行採決した。


野党民主党の対案もはっきりしないのだけれど、
それにしても、自民案は何が目的なのかはっきりしない。


解説によれば、現状の諸々の教育問題や、
青少年の問題が、「愛国心」の教育で解決されるのではないかと、
考えているらしい。


でも、そんなの嘘だと一秒で分かるよね。


愛国心についての議論。
「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。」とする条文である。


国という用語を使う場合、統治機構は含まないことを明確にすべきだとの議論が公明党からあり、それを受けて、国ではなく「わが国と郷土」と書く。さらに「他国を尊重する」と加える。しかし批判は、「他国については、統治機構を含むのか」というものである。



日教組問題でもないらしい。


国家が教育により積極的に関与することが目標というらしい。
でも、国家が教育に関与して教育がよくなり、
青少年は幸せになるものなのか?


そんなはずはないね。


憲法アラタメを視野に入れて、
その先兵ではないかとの意見はあり、
しかしそれならば、順序は逆だ。
基本法である憲法をまず議論して、
そこから教育基本法をアラタメル必要も方法も条文も、
現れることだろう。


何をしたいかといえば、
教育を通じて、ある種の階層に都合のいい社会を、
創りだそうという長期的な計画なのだろう。


B層を固定し反省的思考をなくすこと、
これだ。
日教組的にいえば、教え子を戦場に送る教育だ。


核兵器も持てばいいし、
海外派兵もすればいいし、
同盟国と一緒になって攻撃すればいいし、
結局暴力の支配する世の中を温存すればいいのだろう、ね。
そうすれば、米国の爆撃機も戦艦ももっと買えるようになる。


明治維新長州以来の政治的伝統を思う。
それは日本に何をもたらしたのだろう。

そのうち、愛国ランチが出回るでしょう。

それにしても、仕組みがよく分からない。

北海道の中学生が安倍総理に手紙を書いた。
愛国心は自由だけれど、強制の方向になる可能性があるならよくないといった趣旨だったらしい。生徒は署名をして正々堂々と出した。
手紙を出したらその翌日には、なんと匿名の嫌がらせメールが届いたという。
あまえらはどんな教育をしているのかといった内容だったらしい。
中学生たちの不安は的中。
こんなところは、分かりやすい世の中なのである。
多分、アルバイトの人が対応しているのだろう。
時給いくらなんだろう。多分、いつでも切り捨てられる運命なのだろう。悲しい。
この人はこの人なりにぎりぎりの判断をして、
卑劣なことをしてでも、生きなければいけない何かの理由があるのだろう。
そのような社会にしてしまった責任はすべての人にあるのだと思う。
署名をして堂々と意見を提出した中学生に、匿名で、品格の劣る文章を送りつけた人のために、祈ろう。この卑劣な道を敢えて選んでしまった悲しい人のために祈ろう。
私たちの社会のマイナスの現状がいまここに明確に現れているではないか。
その卑劣さは、私たちが隠し持っている卑劣さである。その人は隠すだけの知恵がなかった。それだけのことだ。
利用されるだけで捨てられることは見えている。
誰が喜んでそのような役割を引き受けるだろうか?

多分、その人たちの集団は一歩先んじていて、
集団のためなら自分の良心を徹底的にゼロにしなければならないのだろう。
そしてやがてわれわれもそのようになる。
われわれも、名前を語りつつ意見を言う中学生に対して、匿名で品格の劣る文章を送りつけるようになる。
そして、2006年の11月が、その顕在化の始まりだったと思い出すことになる。

宮沢喜一回顧録を広告で見つける。そのうち読んでみようと思う。