落ち込むとき

人間は
気持ちが落ち込むときは
まっさかさまに
落ちてしまうことがあり
それは周囲の人にとってみれば
状況にそぐわないほどの落ち込みだと
言われそうなものなのだが
周囲の人たちが
その人の心の歴史をすべて理解しているわけではないのだから
難しいところもある

誰にも理解されないから
悩むのをやめようとは
普通思わないもので
悩みは続く

他人の悩みを理解しない強い人が
生き残るようにできていて
それはそれで仕方がない

強い人にすべてをバトンタッチである
弱い人たちは短歌でも作っていよう
それならあまり迷惑にもならないし
言葉の上のこと、文学のこと、なのだし

人間の脳は進化の途中なのだと
あらためて思う

OSとしてのウィンドウズも
だんだん複雑になって
扱いにくくなっているところもあるようで
脳に似ていないこともない

他人を理解しない強い脳とは
まるで20年前のMSDOSのようだ
単純で強くて自分より複雑なものを理解しない

壊れやすいものを
容赦なく壊し
壊した実感がなく
平気で生きている

不器用な人が
繊細な構造物を一瞬にして破壊するような状況
ゴジラなどは不器用な種類に入ると思う
東京タワーは壊れてしまう

繊細であることは、おおむね、不利である

いちいち傷ついていたらたいへんだと理解はできるが
だれも好きで傷ついているのではないのだ

自分よりも傷つきやすい存在を理解しないというのは
原理にかなっているようだ