下げ続ける金融セクター

経済のことは受動的で
自分は末端だと感じている人が多いと思うのだが
そして専門用語がいろいろと出てきて分からないし
結果がこの間まで言っていたことと違っていても
その理屈を聞いているうちにまたなんだかそのように思われてくるしで
結局翻弄されていると感じているのが大部分であると思う

以下の意見があるので採録。

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マジで忙しいんですが、新聞、どこも書いてくれないし。テレビに期待するだけ無駄だしね~。えーい、書いちゃいましょう。 結構重要なことなので走り書きですがそのうち詳細を書きますのでいまは皆さんの想像力を使ってくださいね、超能力じゃあ、ありませんよ(笑)

さて、今何が重要か。
昨日のニューヨークの下げは注目です。
質的にはこれまでとはっきり異なったサインがでました。これまでも怒涛の下げも上げもあった訳です。
ダウ、SPを見ている限りはそうですね。ただひとつ、一番重要かつ注目の金融セクターでは…

連日さまざまなベイルアウトが発表され、もちろん今現在は、「GMこけたらみなこける」という環境ではあるものの、あの9月の公的資金注入やモルスタ、ゴールドマン普通銀行化発表後リバウンドしてからずーっと、上がらねばならぬのにじわじわ下がり続ける金融セクター。 なぜだ!? とお思いの方は多いはず。

昨日のSPはついに「その他金融」、「投資銀行」セクターが値下がり1,2位を独占。その中であのAIGのニュースですね。

 日経の見出しはトップではなく、しかも

AIG資本注入4兆円

ときた。

もおー、勉強しなさい! よく人の話を聞いてらっしゃい! 現代国語の入試なら零点だよ、君たち!! 大事なのは資本注入4兆円ではない。

私がデスクなら

AIG,政府融資枠850億ドル機能せず、追加対策迫られる、

となる。 その証拠に今回使われている資金の使途を見てみよう。

CDSの信用補完のために保有していた債券やその他の資産の買取のためにAIG50億ドル出資、政府300億ドル融資のCDOを組成。

さらにバランスシートに乗っかっているその他の債券(売れないで残っているんだからCDOの債券ということでしょう)の買取のために同じくAIG10億、政府225億のCDOを組成する。

CDO危機を救うCDO買取のために、CDOを作らざるを得ないという現実。そしてそもそもエクイティーに投入したAIGの資金そのものも公的資金であるよ・・・

細かい話だが当初の融資に対する金利もいつの間にか引き下げられている(払えないとみたのでしょうね・・・・)

政府当局の当初の発表どおり、これら、棄損したCDOが本当に売れる債券で、かつTARPで十分な量があるならCDOなんて作らずにフルエクイティーで政府が取りに行けばよい。わざわざクッションを作ってレバレッジを効かせている理由は現債権の回収に不安があることと、レバレッジを効かせなければ資金が足りない(あの、70兆円でAIGたった一社さえ救済できない可能性があるのだ!)事に尽きるわけ。

CDOで出た損失をCDOで救済するなど、ジョーク以外の何物でもないですね。

つまりこのやり方では、資金は足りないし、CDOを使う以外にないのです。「CDOの孫」を作り出してどうするのか・・・

この、AIG1社救えないテイタラクで本当にGMだ来たらそうなるか。もう考えたくもないですよね。 ですから、中途半端に資本注入したり、融資枠をつけてもだめですよ、と散々ここでも言ってきた訳ですが、処方箋は簡単で、すべてを明らかにする時間稼ぎのために、期間限定で全金融機関の決済を保証する、のが第一段階。

そして、とにかく全部、全部ですよ、一度政府の買取機構で買い取って、これは税金を使ったのだからしっかりディスクロさせて、ほとんどのCDOが実際にほとんどゼロバリューだという判定をし(中には多少の価値はあるでしょうが)、それを組成した会社別のランキングでも作ってそれぞれの販売責任を明確にした上で、さらに政府資金を投入する。

投入する是非を問うて神学論争をしている場合ではなく、投入するから投入する!ただし、海の深さを測らずに投入しても無駄ですよ、ということです。さもなくばいつまでたってもお互いの信用は回復しないのです。この状況でいくら資金を投入しても資金回収をしておしまい、になるのです。

ということで、今回のAIGの状況は、ここで政策を、それこそ「CHANGE」できるのか、最後の賭けになるかもしれませんね。 GM, 株価はゼロなんていまさら発表しても遅い。とっくにゼロですって。

結局、その他コスト、年金負担だとか、さまざまな組合コストなどをどれだけカットできるかにかかっているわけで、その意味ではこれはすでに政治マター。更なる介入が必要になっている訳ですね。こうなるとジョークです。

上場してはいけない企業を上場させたり(日本にもたくさんあります)、民間に任せてはいけないものを散々民間に任せると(社会保障や医療関連は間違いなくそうでしょう)ろくなことは無い訳ですが、一方で民間で完結できるものは完結しなければならない、という当たり前のテーマをオバマ大統領は考える必要があります。GMはその意味で試金石ということになりますね。

モラルハザードにならぬよう、ここはしっかり抑える必要があるのです。