散る桜を見つめ続けて

散る桜を見つめ続けていた
事務所の窓からよく見える
桜の隣に銀杏の樹があり
新緑が吹き始めている

なすすべもなく見送る春
このところ毎年そうだったし今年もそうだ

去年はビデオでかなり撮影したが
今年はそんな気力もない

桜の頃はやはりうつになるのか
過去のうつ場面が想起される

大切な人がいよいよいなくなるとき
私は何もできず
ただ見送っていた
そんな感覚を思い出していた

これから人生のページがどんな風にめくられていくのだろう
というよりも
結局私の人生はこんな風だったのかという思いのほうが強い
たったそれだけのことだった
桜の散る数日にも値しない

花の美しさに値する瞬間などあったのか
そういっても仕方がない

まず何かを食べなくては
放っておくと何食も抜いてしまう