韓国映画事情と日本映画事情

韓国の映画人口は日本と同じくらいあるんです。人口は日本の3分の1だから、日本人の3倍、映画を観ていることになる。日本以上のネット社会である韓国で、これほど映画館に足を運ぶ人が多いというのは、日本の抱えている問題の裏返しだと思います。韓国は、日本の10倍もの予算が映画に投じられ、公費助成に関しても、準政府機関のような委員会が、いい映画を作るために全権を行使して助成先を決めている。はっきりしているわけです。
 韓国映画の偉いところは、日本映画の一部に見られるような、観客をナメた姿勢が全く見られないところです。前に一度流したシーンを回想シーンでもう一度説明調に流すような、そんなことは決してしない(笑)。大いに学ぶべき点ですね。

日本の映画観客数は、1950年代は年10億人を超えていました。60年代に急減し、72年には2億人を割ります。96年には1億2000万人まで落ち込みますが、その後、少しずつ回復してきて、ここ7年は1億6~7000万人で推移しています。一方、スクリーン数はここ10年、増加傾向にあり、97年に1884だったのが、2007年には3221になりました。その7割以上がシネコンです。公開本数も増え、10年前は邦画・洋画合わせて年611本だったのが、07年は810本。これは、ブームと言っていいものなのでしょうか。

スクリーン数の増加に比べ、映画人口はさほど増えず、1スクリーンあたりの観客数も売り上げも減っています。シネコンが増えたことで地方の人たちに映画が身近になったことは確かです。でも、ヒットを見込める作品が数スクリーンを占拠する一方で、成績が悪ければ上映打ち切りという実態もあります。口コミなどを通じてじわじわっと売っていくタイプの映画には向いていないですよね。最近はコミュニティシネマのような活動が活発になりつつありますが、多様な映画を見る環境は整えていかないといけないと思います。

新聞社芸能担当記者座談会から

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わたしには、あのような空気の淀んだところに
みんなで2時間じっとしている
神経の太さが信じられない。

わたしは暗くなったにすぐ寝てしまう。