お前は何を待っているの

温泉でゆでられたお前が
リップクリームだけつけて待っている

いったん近づいたが
こままま待たせておきたいと
思ったのだ

散策していたら
雨が降って来た

お前はわたしを見つけて
草原に出た

お前の髪は黒く重たくわたしに
まとわりついた

肌が雨に濡れて
静脈を花開かせていた

春なんだな
そう思ってお前を慰めた

久しぶりに若々しいわたしだった