NHK特集 ドバイ 熱狂のさなか マニー

NHK特集のあまりにも美しい画像で
あまりにもマニーな
ドバイを見る

フォトジェニックな都市である

いろいろと話を聞いてはいたが
NHK特集で流れたとなれば全国区だ

多分もうそろそろ危ないのかもしれない
最後のジョーカーを掴んだ者が
悲しく笑いコインパークをつくる。

巨大開発を仕掛け
バブルを作り出した手腕と幸運には脱帽する

行き場を失ったオイルマネーが一気に流れこんだと解説している

人間の熱狂は続く
ドバイが終わればまたどこかで
たぶんロシアとブラジルで
そして中国の砂漠で

資本主義は全体として景気が悪くても
成長部分を確保できていれば
それでいいらしい

ドバイという成長センターを見逃していたなら見逃していた方が悪い

資本は国境なく流れるのでそれでいい
実にお金というものは共通の価値なのだ
翻訳さえ要らない

これからは金融のドバイとしてロンドンを追いかけるという

砂漠が金持ちが競って投資する不動産楽園になったのだから驚く
途方もない信用拡大である

住んだとしても
親戚もいないし
学校で何を学ぶのか

病院は結構いいものがあるはずだ
ホテルと同じだから
文化ではないから

NHKのドバイのレポートでは農業生産をどうしているのか
まったく言及がなかった
お母さんたちはピーマンとニンジンを食べないと悪い子になると心配しているのに
見渡す限り緑はない
ワールドとかユニバースをつくる前に国土の緑化を考えたらいいと思うが

あんな高層マンションで子供はどうやって遊ぶのか
回りはこんな大金持ちで
投資用物件ばかり多くて
破産したりすれば住んでいられなくなる

思い出したのは横浜のMM21地域の開発頓挫、
そして東京の埋立地、臨海副都心開発問題、都市博覧会中止、近未来型都市の頓挫、
幕張新都心、さいたま新都心など。

ドバイがやっていることは後進国がやっている土地開発を
世界一の規模で実現したということなのだと思う。
大規模で不安定な錬金術。
住み続ける必然があるのは原住民だけだ。

しかし錬金術でもいいのだ。日本はどうしてできないか。
鳥取砂丘を超近代都市に整備して、中国富裕層の憧れの都市にするとか。

錬金術に酔っている人の顔がどう見えるか。
日本でバブルの当時、不動産屋は醜く見えた。
今ドバイの土地錬金術師を見るとなんだか元気がよくて羨ましい気もする。
どうせバブルなんだよという意味のことを答えている人もいた。

建設中の世界一高いビルは韓国サムスン建設が担当、
ジョルジォ・アルマーニがホテルの計画をしているという。

洞爺湖ホテルの映像も頭を掠める。

犯罪のない都市だと胸を張っていた。
南アフリカのような犯罪はないのだろう。
今のところ。

低賃金労働者を調達するのが難しくなっていると言っていた。
建設資材も値上がりしている。
しかし、個人のレベルで考えると、不動産を一回転がしただけで、
一生困らないだけのお金ができるのだから、
それで店じまいをすれば、賢者というべきだ。

住むための都市ではなく、投資するための都市。
マニーに狂奔する人びとは、MAD-Theoryによれば、
いずれデプレッションになる。

そのときの基本的基礎的な産業は何か。
それが国家運営の基本だと思うが、どうなのだろう。

正直言って、ドバイの高層建築物はそれ自体がカジノのルーレットに過ぎない。
そこで人びとは何をするのか、見えてこない。
話で出てきたのは金融センターということで、
高層マンションからオフィスに通って、
投資をしたり、引き上げたりするらしい。
そんな仕事?

多分、いい子は育たない。

テーマ・パーク、ドバイ・ワールドができたとしても、
子供たちはそこで元気に遊ぶだろうか。
小さな皇帝が気難しくだだをこねているかもしれない。

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しかしその程度の錬金術もできなくなっている日本が悲しい。

ドバイの老人がドバイの子供と
交流しながら自分たちの文化を伝達して行ける、
そんなビジョンは古すぎるのか、
あるいはドバイが新しい過ぎるのか。

高級品を買ってパーティを続けるといっても、
虚しいだろうと思う。

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たぶん、マニーな人物がいて、事は始まった。
マニーはてんかんの発作のように周囲を巻き込んで
拡大しつつ波及する。

楽しい波乗りだと感じているうちに、
誰かが取り残される。
人生そのものがギャンブルになる。

知性ではなく
マニーがひきおこした蜃気楼。
そう思う。

歴史はいつでもそうだった
これからもそうだろう
マニーが作る世界史といったところだ

時代の気分が一人の人間のマニー発作から始まっている
それが波及して
波を作りやがてしぼむ

波というものに実体はない
上に行ったあとは下に行くという法則があるだけ
海にあるのは海水だけ

波が「いつ」どうなるか、
みんなが必死に予測して必死にだまそうとして必死に波を作ろうとしている

実体経済とかけ離れたマネー経済と名づけられている
イマジナリーな経済。
てんかんモデルがよく当てはまる。

その様子は各人の脳のマニー発作の
複合作用のようで
伝わり方を眺めていると
人類全体のてんかん発作のようだ

脳と脳はそのような相互作用もしてしまう

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このあたりはフラクタルな構造というものなのだろう
個人の脳の中での神経細胞の過剰興奮と周囲への波及、巻き込みつつ作るてんかん発作
そのように個人のマニー発作が周囲の人を巻き込みてんかん発作のようなバブルを作り出し
そのあとにくるとてつもない脱力
深い睡眠

経済の波はマニーとデプレッションというイメージよりも
てんかん発作とそのあとの脱力みたいに思える