所得と資産

週間ダイアモンドなどで得意なのは業界ごとの所得などである。
最近は上下の差が激しいと言われるが
多くても多分一千万円から二千万円程度で、
半分とは言わないが半分近くを保を所得税や住民税で引かれてしまう。
このゾーンの人の勤労意欲を引き出すのが難しいらしい。
あえて働かないで余暇を多くする人もいる。
そんなこともあって、
消費税を増やそうという流れになっている。

年収一千万円といえばかなりの高給取りで
企業としてはさらに健康保険、年金、諸手当、福利厚生施設の維持管理などで
さらに経費がかかる。

仮に一千万円程度の年収を資産収入でまかなうとして、
不動産、株、預金、外資運用などに分散するとすると、
だいたい資本主義社会の常識として5%くらいの利回りになる。
その程度を稼がない資産運用なら間違っていることになる。
いつでも成長センターは世界のどこかにあるといわれている。

たとえば3億円の資産があれば、
1500万円が稼げる。
そこに税金がかかり、8割程度が残るとして、
1200万円で、
ちょうど手取り月収で100万円。
住民税がここから支払われる。
考えてみれば、可処分所得が月に100万円ならかなり楽で、
そのために必要なのはたぶん3億円くらいだろうということらしい。
資産運用会社の人の話だとそうなる。

最近は利回りが悪いけれど、
その分、物価が低いので、不満はないらしい。

田舎に土地をもっている人などはこの程度の資産は形成できるのかもしれない。

働くというのはなんという甲斐のないことだろうと思ってしまう。
資産にすれば3億円、それが世間で言う高給取りの一千万円プレイヤーなのだ。
中央のお役人などは
実家に資産がある人が多い
なくても妻の家が資産家であることも多い
実際には実家からの仕送りの変形の役員収入などで
充分に潤っている
逆にそれがないと子供を育てられない

資本主義の世界で資本はやはり強力である。
労働者は何と虚しいものだろう。
高給取りのサラリーマンも退職すれば挨拶もされない。
肩書きに挨拶されているだけである。

そう思うのはかなりのひがみであるが、
そんな面がないとも言えないだろう。
省庁や大企業で勤めあげ、最後は国会議員になったような人も、
最後は悲しげでもある。
業界の順番で議員をしているだけだ。
議員にならないよりはなったほうがいいと思うが、
なっても悲しいらしい。

月に100万円も使う人は少ないだろうから、
3億円以上の資産があれば、
資産は自動的に増えることになる。
無理矢理にお金持ちになってしまうのだ。
ひどい社会設計である。
どうして庶民が怒らないのか不思議だ。

怒ったはずの中国もソ連もとっくにだめになっているので、
怒っても仕方がないのだという結論も分かる。

ならば資本獲得のために本気で稼ごうと思って株を運用したりすると
だいたいが失敗して巻き上げられることになっている。

巻き上げる側と巻き上げられる側が
くっきりしていて、それは見ていて壮観である。
合法的だしなんとも文句も言えない。
体験して学習するしかないのだろう。

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そんなことからの連想で、
日本全国の土地建物の資産を金額に換算して、
それと国民の労働を合計して、どうなっているのだろう。
そんなところから経済学ができるのだろう。
日本全国の土地建物、株、預貯金、そんなものが5%で回っている。
国民の汗の総量よりもあきらかに多いような気もする。
だから赤字国債が増えているのだろう。
そうかな?

高層建築は、「土地」という限定された資産を、
かなり増大させてくれるのでやはり強力なものだ。
「駅前の一等地」がどんどん増えていることになる。