落語の枕

落語の枕で
「あ、はなし家だ。なまいきに、あるいてやがら」
というのがあるという。
実際に聴いたことはないが、
読んでいて吹き出した。

あれだけの話をすらすらと覚えられるのがまず偉い。
古典落語だとずいぶん難しい。
言葉が上手でなくてはいけないし、
発声がよくないといけない、
その上で、「間合い」がうまくないといけない。
人間にしかできない、とても高度な技術である。

単にもとから笑いを取れるキャラクターだと言うのでもない。
その場その場に応じて客の面白がる笑いを、
正月なら正月なりに、帝国ホテルなら帝国ホテルなりに差し出していくそのうまさ。

はなし家は、他人のどんな話に笑うのだろうかと思ってしまう。