終わりのないモラトリアム

現代日本の心理社会状況を
終わりのないモラトリアムと表現できる

いつかは返済しなければならない借金をいつまでも猶予されている状態
豊かな社会は必然的にそうなるといわれている

だから人々は消費者になる
生産者にならない
ちょうど中国が全部生産してくれるので
日本は買えばいいだけになった

買うお金はどこから来るのか
どう考えても知恵がない
とりあえずのお金なら印刷すればいいじゃないかと
言ったかどうかは分からない
お金がジャブジャブに溢れているのにインフレにならず
ほぼゼロ金利で長い時間が過ぎた

終わりのないモラトリアムは心理学的な表現なのだが
これが日本国の借金の形容にもなっているところが絶妙である

誰も真剣に返すことを考えていない借金に頼って国の経済が回っているという
信じられないこと
終わりのない返済猶予期限

終わりのないモラトリアムは形容矛盾だし
終わりのない返済猶予期限は要するに期限がないということだし
返す気のない借金は借金ともいえなくて
何といえばいいものなのだろう

資本主義のからくりというか
これまでの手品が通用しなくなっているおかしさは
そろそろ感じてはいるのだと思う